
この記事を読むとメリットのある方
・野球の指導者
・野球選手(ピッチャーなら必ず)
この記事の筆者
・野球歴14年
・NSCA CSCSアスリートトレーナー
・BODY MAKE GYM 月映え運営(パーソナルジム)
●前書き:球速を上げるためには筋肉について知る事が最善の近道である
私も小、中、高、社会人と約14年に渡って野球を真剣に頑張っていました。
高校、社会人の時はピッチャーで球速を上げる方法を常に模索していたものです。
ですが、意外にも【球を早く投げるメカニズム】を知っているコーチはかなり少ないです。
コーチが知っていなければ、その選手はもっとわかりません。
今や米国のアスリートトレーナーの資格を持つ私ですが、昔を思い出すと選手の頃は全くと言っていいほど【投手に必要な筋肉】について無知でした。
球を早く投げるためには、【筋肉】について知ることが絶対に必要です。
野球は上下関係が厳しい世界のためか、昔からの根性論で教えたり、自身でよくわかっていないトレーニングを教えているコーチがいるのが現状かと思います。
特に少年野球では、選手の親御さんが教えることが多いのでなおさらかも知れません。
【試合に勝てる野球】=【楽しくやる野球】だと私は思います。
負けて楽しい試合よりも、勝って楽しい試合を増やしたいですよね!
今回は投手であれば誰でも目標とする、球速を上げるメカニズムについて見ていきましょう!
①球速を上げることに必要な要素
1.筋肥大
2.筋力
3.パワー
②まとめ
① 球速を上げることに必要な要素
昔から、ピッチャーはスタミナが大事だ!
長距離を毎日走ってこそ一流の投手だ!
10km走のタイムを更新し続けろ!
私も高校の時に監督やコーチ、先輩にメニューとしてランニングを頻繁に組み込まれていました。
プロ野球選手でも練習によく走り込みのメニューがある事から、長距離のランニングにも一定の効果がある事は確かです。
ではここで、練習で長距離を走ることのメリットを挙げみましょう。
・長いイニングを投げる為のスタミナがつく
・余計な脂肪が減り、投球動作の可動域が広がる
・メンタル面が鍛えられ粘り強くなる
くらいでしょうか?
驚いた人もいるかも知れませんが、【長距離のランニングに球速を上げる効果は全くありません】
逆に毎日ランニングをしていては、球速が遅くなる可能性もあります。
その理由として、【筋肉の性質】が関係してきます。人間の筋肉は遅筋と速筋の2種類のタイプに分かれています。
●それぞれの特徴
遅筋繊維→スタミナはあるが瞬発力とパワーが弱い
速筋繊維→瞬発力とパワーはあるがスタミナが弱い
ここで一つ考えてみて下さい。
球速を上げる為に必要な筋肉はどちらでしょうか?
9回投げるために必要なのは筋肉のスタミナですが、速く投げるために必要なのは瞬発力とパワーですよね。
そうなると【速筋繊維をメインに鍛えていく】必要があります。
ポイント①速筋繊維中心にトレーニング
逆にマラソン選手は遅筋繊維を鍛えていけば、長距離を走り続けられる筋肉がつくわけです。
言い換えれば、長距離の走り込みを毎日行うほど筋肉は細くなり、瞬発力がなくなってしまいます。
ポイント② 長距離マラソンは下半身のパワーを落とす可能性がある
マラソン選手で筋肉質な人はいませんよね!
逆に100m走の短距離選手である、ボルトやガトリンはかなりマッチョです。
さらに、立ち幅跳びや垂直跳びのように下半身の瞬発力やパワーを測定するテストでは長距離選手よりも100m選手の方が圧倒的に記録が高い場合が多いです。
ピッチャーがマッチョである必要は決してありません。
ここで言いたいことが、
100m走の選手のような下半身を手に入れるトレーニングをすれば、球を速く投げられる瞬発力やパワーがつくということです。
ポイント③ 長距離選手よりかは短距離選手のトレーニングを真似する
②球速を上げる筋肉の付け方
では、どのようなトレーニング計画を行えば速筋繊維を鍛えられるのでしょうか?
大きく分けて、3つの順序があります。
【筋肥大→筋力→パワー】
1つずつ解説していきます。
1.筋肥大(1〜3ヶ月)
いわゆる筋肉を大きく発達させること。
こう言うと、ボディビルダーを連想してしまう方がいてピッチャーは筋肉が大きいと可動域が狭くなる。
だから筋トレはしなくていい、
と伝える方がいますが、それは間違いです。
筋トレ初心者が数ヶ月や1年ほどの筋トレをしてもボディビルダーのようには決してなりません。
ましてや、中学、高校と腕立てや腹筋程度しか経験のない学生だとなおさらです。
ここでお話しする筋トレ=マシンやダンベル、ベンチプレスなどを含めたレジスタンストレーニングであり、計画的に行う筋トレの事を指しています。
話を戻しますが、私の感じる限り学生のピッチャーは筋肉量が足りていません。
筋肉を増やすことは怪我の予防にもつながることなので一石二鳥なんです。
ここで設定した筋肥大期間は1ヶ月〜3ヶ月です。
筋肉の土台を作る期間としては、3ヶ月、半年、1年と長い方がいいですが、
野球は学生も社会人もシーズンが決まっているため、今回は最低限の期間を定めました。
(元々の身体がどれだけ筋肉が発達しているかによって個人差があります)
筋肉の大きさは、力を発揮する能力と比例します。
(よく見せ筋という表現がありますが、あれは間違っています)
まずは筋肉量を増やして、怪我のない身体と球速を上げるための土台を作りましょう!
筋肥大の回数としては、8回〜20回 3セットを目安としてトレーニングをしていきます。
2.筋力 (1ヶ月〜2ヶ月)
筋力とは、停止しているものを動かす力と考えてください。
よって、100kgの石をタックルして動かせるA君より、200kgの石をタックルして動かせるB君の方が【筋力は強い】です。
投げる瞬間は、手の中で止まっているボールを指で押し出す訳ですから筋力が必要です。
よって投球動作に必要なトレーニング種目を選んで下さい。
例えばベンチプレス。
胸の筋トレになるため、大胸筋の役割としては投げる瞬間に腕を内側に引き込む力を発揮します。
下半身も考え方は同じです。
右投手なら、右足で一本立ちして、加速力をつけながら左足で停止し、上半身へと力を繋ぎ、最後は腕へと伝えます。
マウンドに立って止まっている0の状態から始めるので、下半身の筋力を高めると強い力を上半身へと伝えられます。
スクワットは、下半身で床を蹴り上げて運動する動作と似ているためおすすめです。
筋力アップは、1回〜6回ギリギリの重さ3セット以上
(1RM〜6RM)
3.パワー (数週間〜2ヶ月)
こちらは、筋力と少し似た表現で使われていますが、簡単に言うと
【物体を速く動かす能力】となります。
よって、パワーの向上こそが瞬発力に直結します。
100kgの石を10m動かすのに20秒かかるA君100kgの石を10m動かすのに10秒かかるB君
パワーが強いのはB君になります。
では、今よりも物体(ボール)を速く動かす能力を高めるにはどうするのか?
ダンベルやバーベルを速く動かすトレーニング、または身体自体を俊敏に動かすトレーニングが必要となります。
いわゆる、オリンピックリフティング(スナッチやパワークリーンなどの種目)やアジリティトレーニングを行います。
パワートレーニングの特徴として、軽い重量で最大筋力(最も自分が出せる大きいパワー)を発揮しますが、満遍なく広い範囲の重量でトレーニングをして下さい。
3回〜6回 3セット以上
どの重量でも全力で速く動かす事を意識する
※パワートレーニングは1セット6回以下を目安に1回の動作を素早く動かす事に集中させる。
次回は、具体的なトレーニング方法について解説していきます!
②まとめ
・速筋繊維中心にトレーニング
・長距離マラソンは下半身のパワーを落とす可能性がある
・短距離選手のトレーニングの真似をする
・筋肥大には8回〜20回ギリギリ上がる重さ
・筋力には1回〜6回ギリギリ上がる重さ
・パワーと瞬発力は1回ずつ素早く、速さ重視でトレーニングを行う
BODY MAKE GYM月映え NSCA CSCSトレーナー室井靖成
東京都目黒区東山1-11-7にて営業しております。中目黒・池尻大橋近辺で通いやすいジムを目指し、短時間かつ良心的なお値段でダイエット&ボディメイクをご提供する事をモットーとしています。
ご興味のある方は
tukibaegym@gmail.comまたは下記の公式lineまでご連絡ください(^^)